41.ユニットバスにリフォームされた鈴木様
ご近所の鈴木様にばったりお会いしたのは、11月の初めです。
「お風呂の相談をしたいので、来てくれないか」
「はい。それでは、これからご一緒に」
鈴木様のお宅は36年前に建てられ、お風呂はタイル張りです。
「掃除は大変だし、湯船は深くて危ないし、冬の寒さが辛いんだよ。これから寒さが厳しくなる前に、なんとか新しくできないものかな」
「そうですね。タイルは本当に冷たいですね。特にご年配の方などは、暖かい部から寒い風呂場へ移動するだけで血圧が上がってしまうヒートショックなどの心もありますので、ユニットバスをおすすめしています。ユニットバスは、タイルに比べて床が冷たくならないような材料を使っていますので、冬でもあまり寒くないですし、暖房機もつけることができます。掃除もしゃすいです。ただ、工事に1週間程度かかります。そのあいだ、お風呂に入れませんが、どうされますか」
「1週間なら、今の時期、汗をかくこともないから平気だよ。どうしても入りたかったら、近所の息子のところに行けばいいから」
「わかりました。それでは風呂場などの寸法をはかってから、ユニットバスのタイプや色をご相談したいと思います」
古い住宅のお風呂は、ほとんどがタイル張りです。そのため、多くの方が「お風呂が寒くて、掃除が大変!」とおっしゃいます。ユニットバスなら、そうした不便を解消するだけでなく、家自体を長くもたせる意味でも優れています。
タイルの風呂は、ちょっとしたはずみで水が漏れることがありますが、ユニットバスは基本的に水漏れしないので、騙体を傷める可能性が少ないからです。「タイルの隙間から虫が出てきたので、腐ってるんじゃないか」というご相談を受けたことがありました。調べてみると、シロアリではありませんでしたが、中の木が腐って虫が出てきたようです。タイルの隙間から水や湿気が入り、中の柱が腐ってしまい、結局、窓や外壁まで工事の範囲が広がってしまいました。
また、水漏れして風呂場の柱が腐っている場合、すぐそばの洗面所や脱衣所も同じような状態になっていることが多いです。目に見えないだけに、なかなか気がつきません。ユニットバスではそうした心配はなくなります。
- 2016年12月7日
- カテゴリー : 住まいの本