58.地域密着型の工務店なら長いお付き合いに
工務店の役目は、たとえば、かかりつけ医のようなものだと私は思っています。「町医者のような工務店を探しておくと便利」と言われることもありますが、少し気になることがあったら、すぐに相談できるような工務店と、日ごろから仲良くしているのが一番いいと思います。
建て替えでもリフォームでも、私はお客さまとは、「親戚だと思って」「一生のお付き合い」をさせていただいています。もちろん利益も必要ですが、長く住む家ですから、工事のときだけでなく、定期的にメンテナンスしながら、家を守り、お客さまの暮らしの安心を保っていこうという思いです。そして、お客さまがなにか困ったときに、すぐに対応できる態勢をとっておくべきだと思っています。
それができるのは、地域密着型の工務店だからです。地元の皆さんから愛していただけるよう、社長をはじめ社員も地元出身が多く、地元の皆さんのお住まいをずっと見守る覚悟でいます。「お客さまに寄りそっていきたい」それが大手ハウスメーカーやリフォーム専門会社にはできない、地域密着型の会社の誇りです。
特にリフォームの場合は、基本的に建てた会社に頼むのが一番です。土地、建物の詳細、ご家族のことなど、よくわかっていますのできちんとなおして差し上げられるからです。それなのに、新築だけ、リフォームだけという会社があることに、私は違和感を覚えます。確かに、工務店にとってリフォームの仕事は細かくて大変だと言われます。でも、私たちは、「私どもで建てさせていただいた家は、私どもがリフォームするのが当たり前」という考え方で仕事を考えています。
父の時代に建てた家を二代日の私が建て替えたり、リフォームをすることがよくあります。そうしたご年配の方、あるいは限られた予算の方などから、「この予算でこんなに使いやすくなった」「こんなにきれいになった」などと喜んでいただくと「よかったなー」と思います。
東日本大震災のときには、被害のすごさにお客さまのことが心配になり、たくさんの方に電話をしました。一番印象に残っているのは、リフォームさせていただいたことがある一人暮らしのおばあさまです。「電話をいただいて、すごく心強かった」と喜んでくださり、私はおばあさまの無事な様子に一安心しました。
そんなお付き合いを大事にしています。私だけでなく、従業員も同じ考えで仕事をしてくれています。それは私にとって大きな力です。皆さまのお近くにも、地元の工務店がきっとあるはずです。チラシが入っていたり、あるいはご近所の方に聞くなどして、長いお付き合いのできる工務店と会えたらいいですね。
- 2016年12月7日
- カテゴリー : 住まいの本