60.建て替えのトラブル
トラブルというと、リフォームに多いように感じられますが、建て替えでも起こります。たとえば、「ここに棚をつけておいて」と、工事現場を見にこられたお客さまが、現場の職人さんに頼むことがあります。契約書のなかには、その棚の見積りが入っていませんから、当然追加料金が発生します。
ところが、金額の大きい契約をしているお客さまは、「棚ぐらいなら、余った材木でできるんだし、きっとサービスだろう」と思い込んで、気軽に頼んでしまうことがあります。
でも、現場の職人さんは追加の仕事と判断しますので、追加料金が発生します。お客さまは「サービスだろうな」と考え、工務店の方は追加の仕事と判断したと いう行き違いです。 ですから、 「ここに棚をつけると、追加料金はどのぐらい?」 と相談してから、棚をつけるかどうかを判断された方がいいでしょう。
また、「お金のことをストレートに聞くのはちょっと・・・」と、あいまいにして しまう傾向がありますので、最初に確認しておくことが大事です。それがトラブルを生み出さない一番の方法です。やはり、初めにきちんと話し合いをすることが大切です。
トラブルにはなりませんが、「お客さまがこうしてくれと言ったから」 と、使いやすさなど考えずに、言われたまま工事をしてしまう工務店もあるよう です。
たとえば、多くのお客さまが、「明るい家にしたいので、窓が多い方がいい。風通しもいいし」と言われます。構造上、窓をつけようと思えばつけられますが、「部屋には物を置かないですか。バルコニーはありますし、明るさも風通しも十分です」と、アドバイスさせていただいたことがありました。「言うとおりにしてよかったわ」と、あとになり感謝されましたが、このように素 人の方には判断が難しいことはたくさんあります。
経験豊かな工務店ならば、お客さまの話をお聞きしながら「こういうことですか?」「それなら、こんな感じでどうでしょう」と、提案できます。
- 2016年12月7日
- カテゴリー : 住まいの本