足立区って住みやすい?|足立区の魅力を家づくりの視点から
東京23区内で一戸建てに住むのは難しい」とあきらめていませんか?そんな人は「足立区」を候補に入れると、一戸建ての夢が叶うかもしれません。
「足立区は治安が良くないからちょっと……」と敬遠する人も少なからずいるようです。
しかし足立区の治安が悪かったのは、今となっては昔のこと。
今では約8割もの人が「暮らしやすい」「住み続けたい」と思う、住民に愛される区になっているのです。
そこで今回は、足立区の魅力について、家づくりのプロの視点から詳しくお伝えします。
足立区の現状や子育て環境、そして土地の価格まで詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
1. 足立区ってどんな街?
まずは足立区がどんな街なのか、人口や世帯の特徴を含めた概要を紹介します。
(1)概要
もともと足立区は海辺に接する低湿地帯の一部であり、湿地や荒野だったといわれています。
「足立区」という地名も、辺りに葦(あし:水辺に生えるススキに似た植物)がたくさん生えていたため「葦立ち」と呼ばれていたのが「足立」になったという説もあります。
面積は約53平方キロメートルもあり、これは東京23区では大田区、世田谷区に次ぐ第3位の広さです。
区立公園の面積は23区最大で、水や緑にあふれた自然豊かな区であることも足立区の特徴です。
そんな足立区は、かつて東京23区のなかでは「治安が悪そう」といったネガティブなイメージで語られることが多い区でした。
しかし近年は、不動産情報サイトSUUMOが毎年実施している「住みたい街ランキング関東版」において北千住が4年連続「穴場だと思う街 1位」に輝くなど、イメージが大きく向上しています。
東京電機大学や文教大学をはじめ区内に大学も増えてきており、アカデミックな雰囲気に変わりつつあります。
今後は「足立区に住みたい」と考える若い人も多くなるのではないでしょうか。
(2)人口
足立区の人口は、2021年(令和3年)1月時点で約69万1千人あまり。
男性が約34万6千人、女性が34万5千人と、ほぼ同数となっています。
そのうち約4.9%にあたる3万4千人ほどが外国人です。
2011年の人口が約64万4千人、2016年が65万3千人であったことを考えると、足立区の人口は少しずつ増え続けていて、人気が高まってきていることが分かります。
(3)世帯と住居の特徴
それでは足立区の世帯と住居の特徴を、2015年(平成27年)の国勢調査を元にして足立区が作成した「足立区の人口と世帯」から見てみましょう。
調査結果によると、2015年当時の足立区の総世帯数は約31万世帯で、そのうち約41.4%が単独世帯(一人暮らし世帯)、52.4%が核家族世帯(夫婦のみ、もしくは親と子から成る世帯)です。
住居については、持ち家に住むのは約15万5千世帯で、一般世帯(一般住宅に居住している世帯)の約50.3%を占めています。
持ち家に住む世帯は2010年と比較すると1.5ポイント上昇しており、「足立区で家を建てたい」と考える人が増えていることがデータからも裏付けられます。
2. 通勤にも生活にも便利!足立区の魅力
「足立区に住みたい」と感じる人が増えていますが、一体どんなところに魅力を感じているのでしょうか?
ここでは足立区に住む魅力を、具体的に紹介します。
(1)23区内に一戸建てが持てる!値ごろ感のある土地価格
足立区の魅力のひとつは、ほかの区と比べると土地価格がお手頃で、比較的一戸建てを持ちやすいことです。
総務省が行った「平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計」の結果によると、東京都の持ち家住宅率は45.0%。
一方足立区の持ち家率は、前章でもご紹介したとおり50.3%です。
調査年度が異なるため厳密に比較はできませんが、足立区は東京都のなかでは持ち家率が高いとみていいでしょう。
これは土地価格が安価であることも理由の1つと考えられます。
足立区の土地価格については後ほど詳しくご紹介します。
(2)住民の約8割が「暮らしやすい」「住み続けたい」と感じる住環境
足立区は住民の多くが「暮らしやすい」「住み続けたい」と感じるほどに住環境が整っているのも魅力です。
足立区は2020年(令和2年)に「足立区政に関する世論調査」を実施しました。
これは1972年(昭和47年)から毎年行われていて、数えて49回目に当たります。
調査結果によると、足立区が「暮らしやすい」「どちらかといえば暮らしやすい」と答えた人は全回答者の82.4%にも達しています。
同じく定住意向についても「ずっと住み続けたい」「当分は住み続けたい」と回答した人の割合は78.4%と、こちらも約8割に及びました。
これらの結果からみても、足立区はまさしく「住めば都」で、住む人に愛される区といえます。
(3)日暮里舎人ライナーやつくばエクスプレス開通と新キャンパスのオープンで活気ある街
足立区は交通の利便性が高いことも魅力のひとつに挙げられます。
もともと足立区は北千住を中心に、千代田線、日比谷線、東武線、JR常磐線と4線が通っていました。
さらに2005年(平成17年)につくばエクスプレスが、2008年(平成20年)には新交通システムの日暮里・舎人ライナーが開通しています。
これにより鉄道網は全6線に拡充され、これまで交通の便が悪かったエリアの利便性が向上したのです。
また2021年4月には、文教大学の「東京あだちキャンパス」が足立区花畑にオープンしました。
これは足立区では6つめの大学になります。湘南キャンパスから国際学部と経営学部が全学年移転し、あわせて1,640名の学生が通学しています。
また、「夢をかなえよう。withあだちの6大学」プロジェクトによって、区内にキャンパスのある6大学(東京藝術大学、文教大学、東京電機大学、東京未来大学、帝京科学大学、放送大学)の学長と足立区長、教育長はじめ地域のトップが意見交換を行い、子育て応援の講演会や大学生が地域活動を行うイベントなど、それぞれの専門分野を生かしたさまざまな連携の取り組みを積極的に進めています。
こうした活動は、大学が区内にあることで地域にアカデミックな貢献をすることに加え、足立区に通学する大学生達に、地域との交流を通して卒業後も足立区への愛着や繋がりを持ち続けてもらうことも狙いとしています。
大学が進出することで人流が変わり、若者が増えた足立区は、一気に活気づいているのです。
(4)正直治安はどう?ビューティフル・ウィンドウズ運動の効果とは
かつて足立区は治安が悪いといわれていたため、そのイメージが強く残っている人も多いのではないでしょうか?
しかし実は足立区の犯罪発生率は、23区中で第9位とそれほど高くはないのです。
これは区全体として自主防犯ボランティアや青色防犯パトロールなどに取り組んだ「ビューティフル・ウィンドウズ運動」の成果です。
現在足立区内で治安の悪いエリアは繁華街に限られていて、それはどの区も同じことでしょう。
「穴場だと思う街 第1位」に選ばれていることからも分かるように、足立区では場所さえ選べば地価が安くて治安もいい穴場が見つかる可能性が高いのです。
たとえば北綾瀬駅から徒歩10分ほどの北加平町は、足立区のなかでも治安がいい場所として知られています。
集合住宅が少なく一軒家が多いため、住人の多くが定住者であることが理由のひとつかもしれません。
ほかにも住宅街と物流倉庫のある隅田川沿いの千住関屋町も、落ち着いたエリアです。
荒川と隅田川に囲まれた新田も、昔ながらの商店街がある住宅街で、治安は悪くありません。
さらに2~3丁目は大規模高層住宅街に変わりつつあるので、今後の街の変化に注目です。
3. 足立区の子育て環境
足立区は交通の利便性や治安が向上したと分かりましたが、家を建ててファミリーで足立区に住むことを考えている人は、子育て環境も気になるのではないでしょうか?
実は足立区は独自の子育て支援制度が充実している、待機児童も減少傾向となっているなど、子育てしやすい街のひとつです。
足立区の子育て環境を、さらに詳しく紹介します。
(1)家賃や地価相場が手頃なので、のびのび子育てしたい世帯に人気
足立区は家賃や地価相場がほかの区と比較すると手頃なので、家賃を抑えて教育にコストをかけたい、一戸建てを購入してのびのび子育てしたいといった世帯に人気があります。
ほかの区であれば2LDKしか借りられない家賃で3LDKのマンションに住む、庭のある家を建てるといったことも、足立区なら実現できる可能性があるのです。
(2)公園が多い!アットホームなお祭りもたくさん
前述したとおり、足立区の区立公園の面積は23区最大で、多くの公園を有しています。
なかでも舎人公園は、野球場やテニスコート、陸上競技場などのスポーツ施設や、広々としたキャンプ場、バーベキュー広場などがある足立区が誇る公園です。
公園の中心部にある大小2つの噴水は、シーズン中には多くの子どもたちが水遊びをしに訪れます。
ほかにもイルミネーションで有名な淵江公園や色とりどりのバラと出会える青和バラ公園など、公園のバラエティーも豊かです。
名物の花火大会「足立の花火」や西新井大師の風鈴祭り、そのほか地域ごとに行われる小さなお祭りや盆踊りなど、伝統ある寺社の多い足立区では親子でいろいろな行事を楽しむことができるのです。
(3)保育園の待機児童は減少傾向
足立区では2015年(平成27年)に「待機児ゼロ対策担当課」を新設し、認可保育所を含めて待機児童を減らす取り組みを行っています。
その結果、保育園の待機児童は減少傾向にあり、2020年(令和2年)4月には、足立区の待機児童数はわずか3人になっています。
2021年現在、足立区の区長は東京23区中唯一の女性であり、女性の多様な生き方を支援するよう心を砕いていることも無関係ではないでしょう。
仕事も子育ても両立したいと考えているご家庭に、足立区はおすすめです。
(4)学校が選べる!学区を越えた付き合いも
足立区は、公立小中学校の学校選択制を採用していることも特徴です。
これは子どもが入学する学校を、学区にとらわれることなく保護者や子どもが自由に選べる制度です。
各小中学校は地域の子どもたちに選んでもらえるよう、学校教育にそれぞれの特色を出し、活動をアピールするなど好影響を与えています。
近所の人たちだけでなく、学区を越えた付き合いが広がることもメリットです。
4. 足立区に家を建てたい場合の土地価格
足立区の魅力を知り「足立区に家を建てたい」と思った人も多いのではないでしょうか?
ここからは、足立区に家を建てる場合の具体的な※土地価格を紹介していきます!
※ここでの土地価格とは公示地価、基準地価を元に解説しています。
公示地価とは国土交通省が地価公示法をもとに、毎年1月1日時点に価格を発表しています。
基準地価は公示地価の発表から半年後に、1年間の地価の動きを明確にするために算定される土地の価格のことです。
一般的に公示地価と基準地価を土地価格の参考にしますが、実勢価格とは異なる場合がありますのでご注意ください。
(1)平均地価は23区平均の3分の1以下!一戸建てに手が届く
2021年(令和3年)の足立区の基準地価平均は、42万7,510円/㎡でした。
これは東京23区平均159万7,975円/㎡の3分の1以下の価格で、23区中もっとも低い葛飾区(37万7,482円/㎡)に次ぐ安さです。
ちなみにもっとも高いのは、中央区の534万4,032円/㎡。
SUUMOの「住みたい町ランキング2021関東版」で東京都1位に輝いた恵比寿のある渋谷区は、401万2,678円/㎡でした。
区名 | 基準値平均(概数) | 坪単価平均(概数) |
---|---|---|
中央区 | 534万4,000円/㎡ | 1766万6,200円/坪 |
渋谷区 | 401万2,700円/㎡ | 1326万5,100円/坪 |
東京都23区平均 | 159万8,000円/㎡ | 528万2,600円/坪 |
世田谷区 | 72万7,500円/㎡ | 240万4,800円/坪 |
足立区 | 42万7,500円/㎡ | 141万3,300円/坪 |
葛飾区 | 37万7,500円/㎡ | 124万7,900円/坪 |
※2021年(令和3年)基準地価および公示地価をもとに算出
「東京で家を建てるのは無理」とあきらめていた人でも、足立区なら一戸建てに手が届くかもしれません。
また同じ一戸建てを建てるにしても、足立区を選ぶと同じ予算でより広い家を建てられることにもなるのです。
(2)人気のエリア
足立区のなかでも人気があるのは、なんといっても鉄道路線が集中する北千住です。
駅周辺には千住本町商店街や北千住駅西口美観商店街など複数の商店街があり、買い物や食事にも便利です。
ただし北千住の平均地価は85万2,421円/㎡と、足立区内では高額です。
北千住駅のお隣にある「綾瀬」駅周辺も、大手町や日比谷まで短時間でアクセスできる利便性の高さから人気があります。
駅前にはイトーヨーカドー綾瀬店といった商業施設のほか公園も多く点在し、バランスが良く住みやすい街です。
平均地価は51万1,000円/㎡に下がりますが、足立区全体の平均地価よりは高めです。
エリア | 基準値平均(概数) | 坪単価平均(概数) |
---|---|---|
北千住 | 85万2,400円/㎡ | 281万7,900円/坪 |
綾瀬 | 51万1,000円/㎡ | 168万9,200円/坪 |
足立区平均 | 42万7,500円/㎡ | 141万3,200円/坪 |
西新井 | 33万9,700円/㎡ | 112万2,900円/坪 |
見沼代親水公園 | 15万3,300円/㎡ | 50万6,700円/坪 |
※2021年(令和3年)基準地価および公示地価をもとに算出
一方北千住から準急利用で1駅離れた「西新井」駅周辺は、工場跡地が再開発され公園や商業施設、住宅などが一体で整備された町です。
大型商業施設「アリオ西新井」がある一方、西新井大師周辺は特別景観指定地区に指定されるなど新旧一体となった街並みを楽しめるのが魅力です。
西新井エリアの平均地価は33万9,666円/㎡と、足立区の平均地価を下回りグッと手頃な価格になります。
(3)お買い得な穴場エリア
東京23区のなかでは安価な足立区とはいえ、北千住だと85万円/㎡、西新井でも30万円/㎡以上かかります。
しかし足立区には、もっと安価に土地を購入できる、おすすめの「穴場エリア」が多くあります。
たとえば「治安がいいエリア」としてご紹介した北加平町の、ある土地の公示地価(国から公表された土地価格)は24万2,000円/㎡と、北千住エリアの平均地価の3分の1以下。綾瀬と比較しても半値以下です。同じく千住関屋町なら26万円/㎡、新田なら高層住宅街から外れた1丁目なら24万5,000円/㎡と安価です。
公示地価住所 | 地価(概数) | 坪単価(概数) |
---|---|---|
足立区平均 | 42万7,500円/㎡ | 141万3,200円/坪 |
北加平町18-14 | 24万2,000円/㎡ | 80万円/坪 |
千住関屋町21-6 | 26万円/㎡ | 85万9,500円/坪 |
新田1丁目10-8 | 24万5,000円/㎡ | 80万9,900円/坪 |
舎人1丁目1-2 | 26万4,000円/㎡ | 87万2,700円/坪 |
古千谷本町2丁目22-25 | 24万7,000円/㎡ | 81万6,500円/坪 |
※2021年(令和3年)基準地価および公示地価をもとに算出
また足立区で人気の舎人公園近くなら、舎人駅から約450mの舎人一丁目で26万4,000円/㎡、同じく約580mの古千谷本町2丁目なら24万7,000円/㎡程度で購入できます。駅も公園も近いので、ライフワークバランスが取れた暮らしを楽しめるのではないでしょうか?
足立区で一戸建てを検討するなら、こういった「穴場」を探すのもおすすめです!
5. 足立区で家づくりを55年|浅野工務店の考え方
私たち浅野工務店は1967年に創業し、以来半世紀以上足立区限定で家づくりをしてきました。
ここでは、なぜ足立区だけで家づくりを行っているのか、その理由や私たち浅野工務店の思いについて述べさせていただきたいと思います。
(1)足立区だけでなぜ、工事をやっているのか?
私たち浅野工務店が家づくりのお仕事をお引き受けするのは足立区限定です。
東京23区や都内の他の地域、隣接する県などにエリアを広げれば受注も増えるかもしれませんが、そうなるとお客様への対応が遅くなってしまいます。
浅野工務店は建てていただいた家に責任を持ってアフターケアを行っていることに誇りを持っています。
例えば、台風などにより雨漏りが発生してしまったなどのお客様からのSOSに対して、足立区内であれば電話いただいてから20~30分で駆けつけることが可能です。
もしそれが別の区であれば、交通事情などにより何時間もお待たせしてしまう可能性があります。
浅野工務店は創業以来、「電話一本で駆けつけられる」地域密着型がモットーです。
お客様には建てていただいた家に長く安心して快適に住んでいただきたい。
このような理由から、足立区限定でお仕事をさせていただいております。
(2)足立区で育った従業員
浅野工務店の大きな特徴として、スタッフ全員が足立区育ちということがあります。
私たちは子ども時代からずっと足立区に住み、町の様子や地域の人たちの様子を見て育ちました。
一時は治安が心配される地域もあった足立区ですが、住民のチカラにより様変わりし、新たな力強い街に生まれ変わりつつあります。
私たちは足立区に対する愛情と、足立区で生きる知恵を持っています。
その土地に合った住まい方や、長く暮らす視点で家づくりのご提案ができます。
従業員一同、人と人とのつながりを大切に、足立区で安心できる住まいづくりのお手伝いをしていきたいと考えています。
(3)足立区への恩返し
浅野工務店は創業以来、足立区のみなさまに支えられて続いてまいりました。
スタッフ一同、足立区育ちです。
私たちは、そんな足立区への恩返しとして、これからも足立区が活気ある街でありつづけるために、住みやすく、安心して暮らしていただける家を建てる。建てた家に責任を持ってアフターサービスを行う。
そうやって足立区で安心して暮らしていただける人を増やしていく。
そんな風に、責任ある仕事を通して、足立区を支える地域づくりの一端を担い、足立区への恩返しをしていきたいと考えています。
まとめ
かつては治安の悪さで有名だった足立区ですが、今では「住んでみたい街ランキング」で「穴場と思う街 1位」に4年連続で選ばれるほど魅力的な町になりました。
その理由としては、交通の利便性が高いこと、子育て環境がいいことなどが挙げられます。
さらに土地が東京23区平均の3分の1と安く、一戸建てを持ちやすいことも大きな理由となるでしょう。
足立区ならマンション購入を考えていた同じ予算で「一戸建てに住みながら、のびのび子育て」の夢が叶うかもしれません。
ぜひ足立区を、マイホームの候補地に加えてみてはいかがでしょう。
- 【最終更新日】2023年09月15日 16:54:09
- 【投稿日】2023年09月15日 16:50:42