仮住まいや住宅ローンは大丈夫?|足立区で賢く「建替え」をするためのポイント
「建替えのポイントを押さえておきたい」「費用を抑えた建替えをしたい」と考えていませんか?
家の建替えは、仮住まいが必要になるなど、新築時とは違った対応が求められます。
賢く建替えを進めるためには、まずは必要な費用や流れを押さえたうえで、建替えパターンごとの注意点を把握することが大切です。
そこで今回は、足立区で賢く家の建替えをするために知っておくべき基礎知識や注意点を解説します。
足立区の建替えで活用できる助成制度などもご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
目次
1. 足立区で「賢い建替え」をするための基礎知識
まずは、足立区で「賢い建替え」をするために、押さえておくべき基礎知識を4つご紹介します。
(1)解体費用ってなに?|建替えにかかる大まかな費用
家の建替えで予算を考えるときには、新しい家にかける費用ばかりを考えてしまいがちです。
けれども建替えの場合、新築する家にかかる設計費や建築費以外にも、解体費や諸費用が必要になる点には注意しましょう。
【建替え費用=新しい家の建築費+解体費+諸費用】
解体費は、既存の家を解体・撤去するのにかかる費用です。解体費の費用目安は、木造住宅であれば1坪あたり4万~5万円とされています。
一般的な30坪の住宅だと、120万~150万円と金額が大きくなる傾向があります。
その他建物以外にも駐車場のコンクリートやブロック塀などの解体にも別途費用がかかります。
特に注意していただきたい点は、2006年9月1日以降に新築着工した建物の中には石綿が使用されている場合があります。
石綿が使用されている場合には別途費用が掛かります。その額は大きくなることがありますので注意が必要です。
諸費用は、登記費用や測量費などにかかる費用です。
仮住まいにかかる家賃や、2度にわたる引っ越し費用なども諸費用に含まれます。
諸費用は、建替え全体にかかる費用の約5~10%程度が相場とされています。
国土交通省の「令和3年度 受託経済関連データ」によると、首都圏における注文住宅の建築費平均は、3,510万円(延べ床面積113.1㎡≒34坪)。
同規模の家の建替えだった場合、さらに136万~170万円程度の解体費と、175.5万~351万円程度の諸費用がかかる計算です。
建替え費用を考えるときには、解体費や諸費用も含めた資金計画を立てるようにしましょう。
(2)仮住まいってなに?|建替えの流れとスケジュール
続けて建替えの大まかな流れとスケジュールを確認しておきましょう。
一般的に住宅の建替えは、6か月程度かけて以下の流れで進みます。
STEP1:仮住まいへの引っ越し
解体工事が始まるまでに、電気・ガス・水道などの停止手続きを済ませ、仮住まいへ引っ越します。
足立区では賃貸物件が豊富にあるので、快適な仮住まいを見つけるのは難しくありません。
STEP2:家の解体工事(1週間~1か月)
既存の家の解体工事を行います。解体工事後は、法務局で「建物減失登記」を行います。
建物滅失登記は土地家屋調査士に依頼することが多いです。
STEP3:地盤調査・地盤改良工事(半日~1週間)
新しく家を建てる前に、地盤調査を実施します。
調査した結果、地盤に問題がある場合には、地盤改良工事を実施して地盤の強化が必要です。
STEP4:新築住宅の建築工事(4~6か月)
工事にかかる期間は、工事規模や工法によって違いますが、4か月~6か月程度かかるのが一般的です。
STEP5:新築住宅の引き渡し
竣工検査を実施し、合格後に引き渡してもらいます。
(3)建替えに使える住宅ローンはどれ?|地元の工務店だとローンが通りやすい
家の建替えで住宅ローンを利用するときには、現在のローンの状況によって活用できる住宅ローンの種類が違います。
旧宅の住宅ローンの状態 | 利用できる住宅ローン |
---|---|
残高がゼロ(完済している) | 通常の住宅ローン |
残高が残っている | 建替え(住み替え)ローン (既存のローンと新築する住宅ローンをあわせて一本化する) |
このように、たとえローンが残っていても、借入を一本化すれば新たに住宅ローンを組むことが可能です。
ただ、足立区の場合、住宅ローンには別の問題があります。
金融機関では、家を建てる土地の面積に制限を設けていることが多く、狭小地が多い足立区では、住宅ローンの審査に苦戦するケースがあるのです。
そのような事態を避けるためには、地元工務店に施工してもらうことをおすすめします。
地元工務店は、地元の金融機関と信頼関係を築いているため、スムーズに住宅ローンの手続きを進めてくれます。
また審査においても、有利になる可能性が高いのもメリットです。
(4)そもそも建替え可能な土地なの?|足立区ならではの土地事情
狭小地の多い足立区では、そもそも建替え可能な土地なのかをチェックしておくことも大切です。
建築基準法が改正される前に建てられた住宅は、現行の建築基準法に適合していない「再建築不可物件」となっている場合があります。
たとえば現行の建築基準法では、住宅を建てるときには「4m以上の道路に2m以上土地が接していなければならない」とする「接道義務」があります。
しかし足立区は狭小地が多く入り組んでいるので、接道義務を満たしていない土地が少なくありません。
そのような場合は、道路幅4mを満たすために土地を後退させる「セットバック」を行うといった工夫が必要になります。
また、足立区は狭小なだけではなく、高低差のある特殊な土地が多いのも特徴です。
住宅を建てるのに必要な大きな重機などが入りにくかったり、量産型の部材では対応できなかったりすることもあります。
さらに足立区は、川に挟まれているため地盤が弱い場合もあります。
そのため建替え前には、必ず地盤を確認し、必要に応じて地盤改良する、基礎を工夫するといった対応が必要です。
このように、足立区で住宅を建てるには、地域の特徴を詳しく把握していないとうまくいかない可能性があります。
建替え工事を依頼するときには、状況に応じて部材から手作りしてくれたり、地盤調査会社と提携したりしている地元工務店を選ぶのがおすすめです。
2. 知って安心! パターンごとの建替えメリットと気を付けたいポイント
「家を建替える」と一口にいっても、いろいろなパターンがあります。
ここでは建替えパターンごとのメリットと、気を付けたいポイントをご紹介します。
(1)古くなった自宅を建替える
古くなった自宅を建替えるケースでは、風通しや日当たりなど、実際に住んでみないと分からない生活状況が、すでに明らかになっているのがメリットです。
現在感じている不満点を、建替えによって一気に解消できる可能性があります。
自宅の建替えで気を付けたいポイントは、住宅によっては基礎部分に傷みが少なく、躯体がまだまだ活用できるのでリフォームで済む場合があることです。
既存の住宅を活かせるかを判断するには、住宅診断したうえでリフォームや建替えの提案をしてくれる工務店に相談するのがおすすめです。
リフォームと建替えを比較検討したり、もっとも効率の良い住まい計画を提案してもらえます。
住宅の建替えは高いコストがかかります。人生100年時代に、一番良いタイミングで建替えて、ゆとりある人生を送りましょう。
(2)親の住んでいた実家を建替える
実家の建替えは、土地代がかからないため費用を抑えられるのがメリットです。
実家の建替えには、以下の2つのパターンがあります。
① 老朽化を理由に、高齢の親が住む家を子が手続きを代行して建替える
② 親がホームに入所した、あるいは相続したタイミングで建替えて、子世帯が住む
代行するパターンで気を付けたいのは、親の希望をきちんと把握しておく必要がある点です。
建替えを采配するのは子どもでも、実際に住むのは高齢の親になります。
そのため互いの認識がズレたまま建替えが進んでしまうと、完成してから「こんなはずじゃなかった」と親子のトラブルになる恐れがあります。
建替えを検討するときには、帰省のタイミングで数日泊まり込み、親の普段の生活実態を把握したうえで、希望を聞いておきましょう。
ホーム入所や相続のタイミングで子世帯が住むパターンでは、土地の名義に注意が必要です。
建替え費用を子ども名義の住宅ローンでまかなう場合、住宅だけではなく土地に対しても抵当権が設定されるのが一般的です。
そのため土地の名義が親のままとなっているケースでは、金融機関は土地の所有者である親に対し、住宅ローンの連帯保証人になるよう求める可能性があります。
(3)親の土地に二世帯住宅を建てる
親の土地に二世帯住宅を建てるパターンは、土地購入資金が不要なだけではなく、建替えの資金も親世帯と子世帯で出し合えるのがメリットです。
建替え後も、光熱費や税金などの生活費を分け合えるので、資金面で大きな余裕が生まれます。
一方、二世帯住宅は、どのような間取りにするかでもめる傾向がある点には注意が必要です。
二世帯をどのように分け、どこを共有するのかを、建替える前に明確にしておかないと、のちのち不満やトラブルの原因になってしまいます。
二世帯住宅の建て方は、以下の3種類があります。
完全同居型 | 1つの住宅に親世帯と子世帯が同居する。 それぞれの居室以外の、水回りとリビングを共用する間取りが多い。 |
---|---|
部分共用型 | 玄関やリビングなど一部の設備のみを親子で共有する。 |
完全分離型 | 同じ建物内で、玄関をはじめすべての生活空間を分離する。 上下に分ける、左右に分けるなど住宅の形状はさまざま。 |
どの建て方をする場合でも、生活音が気にならないよう防音構造を取り入れるといった工事は、建替えたあとに思い付いても実現するのは困難です。
そのため気遣いで乗り越えられる部分と、設備として整えたほうが良い部分は、設計段階でしっかり話し合って決めておきましょう。
(4)空き家を購入して建替える
空き家を購入して建替えるメリットは、立地を選べる点です。
不動産は、駅前など立地の良い場所から順番に建てられていくため、古い空き家ほど、立地条件が良い傾向があります。
そのためタイミングによっては、利便性が高い人気の場所を、驚きの低価格で入手できるかもしれません。
空き家をそのまま利用する場合には、状態によってはリフォームなどの追加費用が高額になる可能性があります。
しかし初めから建替えるつもりで、土地目的で購入するのであれば、家の状態はあまり関係ありません。
空き家を購入しての建替えで気を付けたいポイントは、基礎知識の項でもご紹介しましたが、建替えが可能な土地であるかどうかです。
特に足立区は古くからの狭小地が多く、再建築不可物件となっていることも考えられるので、購入前には必ず確認が必要です。
3. 足立区で建替えに使える助成金と、賢い建替えのポイント
ここからは、足立区で家を建替えるときに使える助成金と、賢い建替えをするために押さえておきたいポイントをご紹介します。
※なお、今回ご紹介する各制度などは、2022年2月時点の内容です。
助成金や税制は年度により異なりますので、最新の情報は足立区や国税庁のサイトにてご確認ください。
(1)解体費用に助成金を活用【足立区版】
足立区では、「不燃化推進特定整備地区(以下「不燃化特区」)」に指定された地域内にある、一定の条件を満たす建物の解体費を助成しています。
助成額 | 最大210万円 |
---|---|
残条件 (いずれかを満たすこと) |
1)昭和56年5月31日以前の旧耐震基準で建築された木造または軽量鉄骨造の建築物 2)区の調査によって危険であると認められた建築物(詳しくは建築安全課または密集地域整備課にお問い合わせください) 3)延焼防止上危険な木造建築物として国が定めた基準に該当する建築物(詳しくは密集地域整備課にお問い合わせください) |
不燃化特区は、「西新井駅西口周辺地区」および「足立区中南部一帯地区」になります。その他の詳細は以下からご確認ください。
※足立区「不燃化特区について」
(2)設備の設置で活用できる助成金【足立区版】
足立区では、一定の条件を満たした場合、以下のような設備の設置に必要な経費の一部を補助する「省エネ機器等および気候変動適応対策補助制度」を提供しています。
<補助の対象となる設備>
設備 | 補助金額 |
---|---|
太陽光発電システム | 上限24万円 |
太陽光利用システム | 上限10万円 |
家庭用燃料電池システム(エネファーム) | 上限5万円 |
蓄電池・HEMS | 一律5万円 |
雨水タンク | 上限1.5万円 |
節水型トイレ設置 | 上限3万円 |
詳細は以下からご確認ください。
※足立区「省エネ機器等および気候変動適応対策補助制度」
(3)仮住まいで節約! トランクルーム併用で荷物を少なく
建替えでは、工事開始から終了するまでの数か月間、仮住まいが必要になります。
その際には、近隣にある賃貸物件を短期契約して暮らすのが一般的です。
しかし、もともと戸建て住宅にあったすべての家具や家電を仮住まいに搬入するのは、量的に難しいことも少なくありません。
そんなときには、仮住まいしている間に使用しないものについては、トランクルームを検討しましょう。
足立区のトランクルームは、月8,000円からお得にレンタルできます。
荷物の量を考慮して広い賃貸を借りるより、トランクルームに荷物を預けてワンルームなど家賃が安い仮住まいを選んだほうが、トータルで安くなる可能性があります。
そして最も重要なのは仮住まいに移る前に、新居に不要なものはできるだけ処分しておくということです。
建替え時は断捨離をする良いチャンスです。
もう何年も見ていない天袋の中のものは本当に必要なものなのか?
なんとなく残してある洋服や食器など本当に必要なものなのか?等々
よーく考えてみてくださいね。
そして新居に作り付けの家具を造作してもらえば、大型家具は不要になります。
引っ越し費用や仮住まいの家賃を抑えるには、そもそもの荷物を少なくしておくことが大切です。
(4)建てるときに安く、メンテナンスもしやすい! 木造工法で建てる
家を建替えるときには、在来の木造軸組工法で建築するのがおすすめです。
家を建てる工法にはツーバイフォー工法や鉄骨・鉄筋コンクリート工法などがありますが、木造軸組工法はそのなかでも安価に建築できるのがメリットです。
また、木造軸組工法は、面で支えるツーバイフォー住宅と違い、柱や梁(はり)を軸組とすることから間取りや構造、開口部の位置などを比較的自由に設計できます。
可変性が高いので、将来的な間取り変更リフォームなども容易です。
アフターメンテナンスを丁寧にしてくれる工務店に建替えを依頼すれば、家の寿命を延ばすことになり、結果的に今後の費用節約にもつながります。
(5)親や祖父母に援助を受けて建替える場合に、「贈与税の非課税制度」を活用
建替えにかかかる費用を、両親や祖父母に援助してもらった場合には、「住宅取得等資金の贈与税の非課税制度」を利用できる可能性があります。
制度が適用されるには、以下のような条件があります。
- 贈与者が親または祖父母など直系尊属であること。
- 受贈者(贈与を受けた人)が贈与を受けた年の1月1日において20歳以上であること。(令和4年4月1日以降は18歳以上)
- 受贈者が贈与を受けた年の年間総所得が2,000万円以下であること。
- 贈与を受けた年の翌年3月15日までに建替えが完了していること。
上記のような一定の条件を満たした場合、住宅の種類に応じて以下の上限額まで贈与税が非課税とされます。
契約の締結日 | 省エネなど住宅 | その他の住宅 |
---|---|---|
令和4年1月1日~令和5年12月31日 | 1,000万円 | 500万円 |
制度について詳しくは、国税庁の以下のページでご確認ください。
※国税庁「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」
※なお、この制度の適用期限は令和5年12月31日まで適用期限が延長されています。
【出典】財務省「令和4年度税制改正の大綱」
(6)「相続した空き家の3,000万円特別控除」を受けられる可能性
相続した実家を売却し、その資金で建替えを検討するときには「相続した空き家の3,000万円特別控除」を受けられる可能性があります。
住宅を売却して利益(譲渡所得)が発生した場合、譲渡所得税を納めなければなりません。
しかしこの特別控除が適用されると、実質譲渡所得が3,000万円以下なら譲渡所得税の納税が不要になります。
この控除が適用されるのは、以下の3つの要件をすべて満たす家屋です。
①昭和56年5月31日以前に建築されたこと。
②区分所有建物登記がされている建物(マンションなど)ではないこと。
③相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと。(被相続人が一人暮らしであったこと)
また、特例の適用を受ける要件には、以下のようなものがあります。
- 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
- 売却代金が1億円以下であること。
- 親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものでないこと。
なお、この制度は令和5年12月31日までが適用期限です。
ほかにも細かな要件があるので、詳細は国税庁の以下のページでご確認ください。
※国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
(7)固定資産税を安く抑える裏ワザ
住宅を所有すると必ず発生するのが固定資産税です。
裏ワザ的な方法として、新築した家の引き渡しが年末年始に重なりそうな場合は、1月2日以降に調整できると前年度分の固定資産税の支払いを免れることができます。
これは、固定資産税はその年の1月1日に所有している住宅に対して課税されるためです。
つまり引き渡しが1月2日以降であれば、その年は住宅を所有していなかったとみなされ、結果的に1年分の固定資産税の支払いが不要になるのです。
年末年始が引き渡しのタイミングとなりそうな場合は、引き渡し日が1月2日以降になるよう調整してみましょう。
まとめ
家を賢く建替えるには、かかる費用や流れといった基礎知識を把握すると同時に、その地域独特の土地の特徴まで考慮して家づくりを考えることが大切です。
また、自治体が提供している助成金や国の減税制度などを活用すると、コストを抑えた賢い建替えを実現できます。
建替えを依頼するときには、地元に詳しい地域密着型の工務店を選ぶのも成功の秘訣です。
地元の工務店なら、その土地ならではの賢い建替えのポイントを教えてもらったり、ローンの審査を有利に運んだりすることが可能です。
私たち浅野工務店は、長年工事エリアを足立区のみに限定し、多くの家づくりを行ってきました。
足立区独特の「狭小」「変形地」「軟弱地盤」といった特徴を理解したうえで、長年住み続けられる理想の家づくりのお手伝いをいたします。
足立区で建替えをご検討中の方は、もしご心配なことがありましたら、たとえ小さなことでもお気軽にご相談ください。
- 【最終更新日】2023年09月15日 17:16:47
- 【投稿日】2023年09月15日 17:16:01