【解説】足立区で「小屋裏収納」のある家を建てるには
家を建てた人に後悔した点を聞くと、「収納が足りなかった」ことを挙げる人が少なくありません。
せっかく素敵な家を建てても、ものを収納するスペースがなく、いつも散らかっているようだと残念ですよね。
しかし実際に家を建てるときには「できるだけ居住空間を広く取りたい」と思うものです。
そのようなときに、住宅内にあるデッドスペースを収納として活用すると、限られた空間を最大限居住スペースに使えるようになります。
そのアイデアのひとつが「小屋裏収納」です。
とくに狭小地が多い足立区で家を建てるときには、ぜひおすすめしたい設備です。
今回は、小屋裏収納とは何なのか、なぜ足立区の住宅におすすめなのかを、小屋裏収納を設けるメリット・デメリットとあわせてご紹介します。
目次
1. 小屋裏収納のある家
足立区では、新築時に「小屋裏収納」をつける方が多くいらっしゃいます。
まずは小屋裏収納とはどのようなものなのか、そして足立区で小屋裏収納の人気が高い理由は何なのかをご説明します。
(1)小屋裏収納住宅とは?|足立区の小屋裏収納の主な特徴と法令上の制限
「小屋裏」とは、屋根と天井の間に生まれるスペースを指します。
小屋裏収納は、「収納スペースとして活用されている小屋裏」のことです。
住宅の小屋裏収納については、建築基準法で高さや広さなどの制限が設けられており、「階」に含めない余剰空間とされるのが特徴です。
さらに余剰空間と認めて固定資産税の対象から外すために、自治体が独自のルールを設けていることもあります。
まずは法令上の制限や、足立区における小屋裏収納のルールを確認しましょう。
① 1.4mの高さ
小屋裏の高さは、床から1.4m以下に制限されています。
小屋裏収納は傾斜屋根と天井の間の空間を活用するのが一般的ですが、床から屋根までのもっとも高い部分が1.4mを超えると「小屋裏収納」とは認められません。
② 小屋裏収納がある階の床面積の1/2未満
小屋裏収納の面積は、小屋裏収納へアクセスする階の1/2未満とされています。
たとえば2階建て住宅で、2階の屋根裏に小屋裏収納をつくるときには、2階の床面積が40㎡であるなら、小屋裏収納の広さは半分の20㎡未満にしなければなりません。
③ 居室として使うことは不可
小屋裏収納は、居室として使うことは認められていません。
居室と認められるには「天井の平均高2.1m」「床面積の1/7以上の採光部」などの条件があり、小屋裏はいずれも満たさないためです。
④ 階段をつけられる?足立区の場合
小屋裏収納へのアクセスは、天井収納はしごのほか、足立区では固定階段の設置が認められています。
はしごは上り下りが大変なので、固定階段を設置するのがおすすめです。
ただし小屋裏収納専用であること、建築基準法に適合していること、階段の面積を小屋裏収納の面積に含むことが条件とされている点には注意しましょう。
(2)足立区で小屋裏収納を建てる人が多い理由
足立区では、住宅を建てる際に小屋裏収納を設ける人が多くいます。その理由を3つご紹介します。
① 狭小地の多い地形
足立区は都市部にあるため、狭小地が多いのが特徴です。狭小地とはその名のとおり、面積が狭い土地を指します。
具体的にどのくらいの面積であれば狭小地と呼ぶかの明確な定義はありません。一般的には20坪以下の土地を、狭小地と呼ぶことが多いようです。
狭小地では、建築できる住宅の建坪が小さくなります。
それぞれの土地には建てられる住宅の建築面積(建ぺい率)や延床面積(容積率)が決められていて、それを守らなければならないためです。
そのため3階建てにしたくても、できない場合も少なくありません。
さまざまな制限があるなか、できるだけ広く居住空間を取ろうとすると、小屋裏収納が選択肢に入るのです。
小屋裏は延床面積に含む必要がないため、たとえ生活スペースだけで容積率を使い切ったとしても、広々とした収納を確保できます。
② 車をもたない生活
最近は車をもたない人が多いことも小屋裏収納住宅を建てる人が多い理由の1つと考えられます。
車を所有する場合、狭小地で住宅を建てるときには、駐車スペースを確保するために1階をビルトインガレージにするのが一般的です。
その場合、2階建てだと実質ワンフロアーしか居住スペースを取れません。
そのため小屋裏収納を検討するより、3階建てにして居住スペースの確保を優先する方が多くなります。
一方、車をもたない生活をする場合、ガレージが不要なので3階建てにしなくても居住スペースを確保できます。
1階・2階を居住スペースとして有効活用するために、小屋裏収納を検討できるようになるのです。
③ 増える子育て世代
足立区では、18歳未満の子どもがいる世帯数が増加傾向にあるのも、小屋裏収納を設置する人が多い理由として挙げられます。
子どもがいると、季節の洋服はもちろん、おもちゃや学校の勉強道具、スポーツ用品など、成長にともないどんどん荷物が増えていきます。
しかし狭小住宅で生活空間を広く取ろうとすると、収納スペースは少なくなりがちです。
あらかじめ設けた収納からものがあふれてしまうと、部屋やリビングがいつも散らかって快適に暮らせません。
そのためあらかじめ小屋裏収納を設け、子どもが増えて荷物があふれても生活スペースを圧迫されないようにしておきたいと考える人が多いのです。
2. 小屋裏収納のメリット
足立区で住宅を建てるときに小屋裏収納を設けることで得られるメリットを、5つ紹介していきます。
(1)大きなものがしまえる!大容量の収納スペース
小屋裏収納を住宅に設ける最初のメリットは、大きなものを収納できるようになることです。
たとえばクリスマスツリーやひな人形セット、こいのぼり、キャンプ用品など、生活を豊かにするイベントグッズはかさばるものが多く、収納に困る家庭が少なくありません。
また、スキー用品やファンヒーター、扇風機など、使う季節が限定されているものも、生活スペースに場所を確保するのはなんだかもったいないですよね。
そういったものも、小屋裏収納があればどんどん片付けることが可能です。
「思い出のひな人形を、娘が結婚するときに持っていってもらいたい」といった希望も、広々とした小屋裏収納があれば叶えられるでしょう。
(2)固定資産税なし!税金がお得
小屋裏収納を設置すると、広い収納空間を確保できるのに固定資産税を低く抑えられるのもメリットです。
固定資産税は、住宅の延床面積にさまざまな係数をかけあわせて算出されます。
しかし建築基準法では、高さ1.4m以下のスペースは延べ床面積に算入しなくてよいとしています。
小屋裏収納は高さ1.4m以下に制限されているため、延床面積に含む必要がありません。
そのためたとえば80㎡の2階建て住宅に20㎡の小屋裏収納をつくっても、100㎡ではなく80㎡で固定資産税が計算されます。
実際に使える広さに対して、単純計算で建物分の固定資産税が20%もお得になるのです。
(3)デッドスペースを有効活用できる
そもそも屋根と天井の間にある小屋裏は、どの家にもある空間です。
しかし多くの住宅では、活用されることなく単なるデッドスペースとなっています。
代わりに生活空間にクローゼットを設置して、多くのものを収納しているケースがほとんどです。
考えてみれば、とてももったいないことですよね。
デッドスペースとなっている小屋裏を、小屋裏収納として有効活用すれば、生活スペースに設置するクローゼットの数を減らせます。
生活空間は広く取りたいけれども、3階建てにするには予算がちょっと足りない…といったときでも、広い居住空間と収納の両方を確保できるようになるのです。
(4)ロフトとちがい居室から独立した収納スペース
小屋裏収納は、ロフトと違って居室から独立したスペースになっているのもメリットのひとつです。
ロフトは居室の天井を高くして、部屋を上下2層に分けたうちの上部のスペースを指します。
建築基準法的には小屋裏収納と同じ位置づけなので、高さは1.4m以下に制限されていて、居室としては使えません。
しかしロフトは1つの空間の一部が2層に区切られているだけなので、部屋の一部と認識されやすいのが特徴です。
そのため物置としてではなく、多目的な空間として使われる傾向があります。
一方、小屋裏収納は天井裏につくられるため、居室からは開口部周辺以外はほとんど中が見えません。
開口部の位置を工夫してドアを設けると、居室から完全に独立した収納スペースにすることも可能です。
3. 小屋裏収納のデメリット
狭小地が多い足立区で住宅を建てるときでも、居住空間を圧迫することなく広々とした収納スペースを確保できるのが魅力の小屋裏収納ですが、デメリットもあります。
ここでは小屋裏収納のデメリットを、3つご紹介します。
(1)高さがあるものは縦置きできない
小屋裏収納は高さが1.4m以下に制限されているため、それ以上の高さがあるものは縦置きで収納できません。
横に寝かせられるものであれば問題ありませんが、どうしても縦置きしなければならない1.4m以上のものは、小屋裏収納以外の保管場所を確保する必要があります。
また、もっとも高い場所でも1.4mしかないため、ものの出し入れをするときに中腰での作業となるのもデメリットです。
(2)広さに制限がある
小屋裏収納の広さは、小屋裏収納へアクセスする階の床面積の1/2未満に制限されています。
さらに小屋裏収納の面積は、その階からアクセスできる小屋裏収納全体のトータルで計算される点にも注意が必要です。
たとえば40㎡ある2階に、小屋裏収納のほかに10㎡のロフトと2㎡の床下収納をつくる場合で考えてみましょう。
小屋裏収納全体の面積上限=40㎡×1/2=20㎡
小屋裏収納に使える面積=20㎡―10㎡(ロフト)―2㎡(床下収納)=8㎡
このケースでは、小屋裏収納に使える面積は8㎡しかありません。
2階の天井裏に40㎡の空間があったとしても、小屋裏収納には広さの制限があるため、すべてを小屋裏収納にすることはできないのです。
(3)断熱や換気などに意外とコストがかかる
小屋裏収納の断熱が不十分だと、屋根や外壁からの熱が直接伝わり、小屋裏収納の中が高温になってしまいます。
さらに換気ができなければ湿気がこもり、収納したものがカビたり劣化したりする可能性が高まります。
そのため小屋裏収納にも断熱や換気が必要になり、そのためのコストがかかるのがデメリットです。
たとえば4帖程度(約7㎡)の小屋裏収納に断熱や換気を施した場合、以下のような費用がかかります。
換気扇の設置 | 3万円~ |
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断熱材の設置 | 30万円~ |
小屋裏収納を快適に使うためには、断熱や換気のコストも見込んでおく必要があるのです。
まとめ
住宅を建てるときに小屋裏収納を設置すると、収納スペースを減らして広々とした居住空間を確保できるようになります。
とくに狭小地が多い足立区では、限られた住宅空間を最大限活用するためには、小屋裏収納はぜひおすすめしたい設備です。
わたしたち浅野工務店は、創業以来足立区限定でさまざまな住宅建設に携わってきました。
狭小地や変形地をむしろ「個性」ととらえ、その個性を活かした住宅づくりをお手伝いいたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
5. 小屋裏収納の実例
(1)F様邸(13.25㎡)
小屋裏収納に階段の設置が許可されている足立区ならではの階段式の小屋裏収納です。
電灯と明かり取りの窓を2つずつ設置しすみずみまで明るさを確保しました。
階段口を小屋裏中央に設けることで、左右に収納スペースを分けて使いやすい間取りになっています。
(2)Y様邸(18.84㎡)
階段式の小屋裏収納です。曲がり階段を採用することで、階下からの視線をさえぎり、プライベートな空間を確保しました。
入口と部屋奥に明かり取りの窓を、3カ所に電灯を設置し明るさを確保しました。
天井の壁紙を青空にすることで解放的なイメージのスペースになっています。
(3)K様邸(13.25㎡)
収納式梯子の小屋裏収納です。収納式梯子の小屋裏収納は梯子の収納時は密閉空間になってしまいますので、湿気対策に換気扇を設置しました。
電灯2カ所を設置し、しっかりと明るさを確保しています。
- 【最終更新日】2023年09月15日 17:30:15
- 【投稿日】2023年09月15日 17:30:15