【解説】20坪以下で快適に!足立区で平屋を建てる工夫

今、平屋を考える人が増えています。
「暮らしやすい平屋を建てたい…」
「終の棲家とするなら平屋がよさそう…」
「子どもが独立、平屋へ建て替えたい…」
その反面、足立区には20坪以下の敷地も多く、2階建てから平屋への建て替えは、生活スペースが制限されるのが課題です。
2階建てで暮らしている方が平屋に建て替える場合、建て替えた平屋の面積は、2階建てだった家の1階部分の広さ、つまりおよそ半分になります。
それでも、間取りなどの工夫次第では、快適な平屋生活の実現が可能です。
この記事では、足立区で快適な平屋を建てる場合のポイントについてお伝えします。
目次
1.足立区で暮らしやすい理想の平屋を建てるには

まずは、足立区で理想の平屋を建てるために押さえておきたいポイントを解説します。
(1)足立区の住みやすさ、平屋のニーズの高まり
東京23区内でありながら、水と緑が多い足立区は、物価も安く住みやすいことから人気です。
また近年は、全国的に平屋のニーズも高まっています。
2014年には新築住宅で平屋が占める割合は約7.5%程度でしたが、10年後の2024年には約16.8%と倍以上になっています。
この傾向は東京でも変わらず、2014年には約1.1%だった平屋率が、2024年には1.9%にまで上昇しました。
このような背景から、暮らしやすい足立区で平屋を建てたい!と考えている人も多いのではないでしょうか。
次章では、平屋を検討するときに知っておきたいメリット・デメリットと、デメリットを解消する工夫を紹介していきます。
参考:建築着工統計調査
(2)平屋のメリットと、デメリットを解消する工夫
平屋の具体的なメリット・デメリットを解説します。
デメリットについては、対策もご紹介します。
① 平屋のメリット
まずは、平屋のメリットを見てみましょう。
生活動線が短い
平屋は上下移動がなく、ワンフロアで生活を完結できるため、生活動線が短くてすみます。
階段がないため車椅子でも移動しやすく、バリアフリーな住まいを実現しやすいことも魅力です。
家族とコミュニケーションをとりやすい
2階建てだとリビングや水回りを中心としたフロアと、個室を配置するフロアに分かれる傾向があり、家族が顔を合わせる機会が減りがちです。
一方、平屋は家族全員が常に同じフロアにいるため、とくにリビングを中心にした間取りにすると、自然にコミュニケーションをとれます。
小さな子どもや高齢者がいる家庭では、互いの気配を感じられることは、安心感につながるでしょう。
地震や台風に強い
平屋は建物の重心が低く、安定した構造をしているため、耐震性・耐風性に優れています。
近年大きな地震が続いていること、今後南海トラフ地震が予想されていること、また大型台風の襲来が増えていることなどを考えると、地震の揺れによる倒壊リスクが少ない平屋は、大きなメリットになるでしょう。
生活安全性が高い
階段がない平屋は、転倒や落下による事故のリスクが減り、高齢者や小さな子どもがいる場合に適しています。
とくに高齢者は家の中の骨折が多いため、平屋だと安心して暮らせます。
また、万一災害に遭ったときでも、平屋であれば避難しやすいこともメリットです。
家事負担を減らせる
平屋は生活動線が短いことから、掃除や洗濯の移動距離が短く、家事効率が向上します。
掃除機や重い洗濯物を抱えて、階段を上り下りする必要もありません。
また、平屋は2階建てよりコンパクトなので、掃除する範囲が少なくてすむのもポイントです。
② 平屋のデメリット
続いて、平屋のデメリットも確認しておきましょう。
収納の確保が難しい
平屋は2階建てと比べると床面積が限られるため、収納スペースの確保が課題になります。
とくに、家族の人数が多い場合や荷物が多い家庭では、収納計画をしっかり考えて設計しないと、生活空間が狭く感じることもあるでしょう。
そうならないためには、屋根裏や床下収納を活用するなどの工夫が必要です。
プライバシーを保ちにくい
家族全員がワンフロアで暮らす平屋は、コミュニケーションをとりやすい反面、プライバシーを保ちにくくなります。
個室に行くにはリビングを通る間取りにしつつ、個室は防音性を高めるといった工夫を検討しましょう。
また、外からの視線も入りやすいため、塀や植栽の工夫も必要です。
坪単価が高くなる
平屋は2階建てよりも、基礎や屋根の面積が広くなるため、坪単価(1坪あたりの建築費)が高くなりがちです。
ただし、これは同じ延床面積のケースに限られるため、コンパクトな平屋を建てる場合には、トータルコストは抑えられる可能性が高くなります。
日当たりが悪くなりがち
周囲に2階建てや3階建て、マンションなどが多い住宅地では、平屋だと日当たりが悪くなってしまいがちです。
採光のために天井を高くし、高窓や天窓を配置したりすることを検討しましょう。
③ メリット・デメリットを踏まえた上での平屋選び
平屋は生活動線の短さや耐震性の高さなど、多くのメリットがある一方、収納やプライバシーの確保、日当たりなどに課題もあります。
ただし、デメリットの多くは、屋根裏の活用や窓の配置といった設計の工夫で十分カバーが可能です。
メリットを活かしつつ、デメリットへの対策を考えることで、快適な平屋暮らしを実現しましょう。
(3)2階建てと比べた平屋の広さとは?
たとえば、建築面積20坪で2階建てと平屋を建てた場合、最大の延床面積は平屋では20坪ですが、2階建てだと40坪になります。
「平屋は2階建ての半分にしかならないのか」と思ってしまいますが、実はそうではありません。
確かに、延床面積は半分になりますが、2階建てには階段や廊下、ホールといった空間が多く必要になります。
そのため、「実質的な居住スペース」で考えると、必ずしも平屋は2階建ての半分とはいえないのです。
逆にいえば、廊下やホールといった空間を極限までなくすことで、面積によっては平屋でも2階建てと同程度の居住スペースの確保が可能になります。
そのためには、コンパクトな平屋の設計を得意とする工務店選びが重要です。
家族構成と平屋の坪数
一般的に、3人家族がゆったり暮らすには、建物25坪以上(約83㎡・約50畳・約9m四方、3LDK程度)、2人なら建物20坪以上(約66㎡・約40畳・約8m四方)は必要といわれています。
しかし土地が高い都心では、コンパクトな家を建てることを考える人も少なくありません。
建物15坪以下であれば、一人暮らし用の平屋が向いています。
大切なペットと密に触れ合いながら暮らしたい人にもおすすめです。
浅野工務店に相談にいらっしゃるお客様のほとんどは、建物15坪以下になる20~30坪の土地をお持ちです。
まずはお気軽にご相談ください。
2.暮らしやすい平屋の施工事例と収納アイデア
ここからは、平屋の実際の施工事例を見ていきましょう。
収納のアイデアもあわせて紹介しますので、これから建てる平屋の参考にしてみてください。
(1)憧れの平屋!A様邸(建物17.68坪)
変形地に、17.67坪の平屋を建てたA様の事例です。

CW 断熱(発泡ウレタンとアルミの遮熱シートを組み合わせた断熱方法)により、エアコン1台で室温をコントロールできるようになりました。

スペースをとらないよう、引き戸を多く採用。

ロングコートも掛けられる、左右に収納できるウォークインクローゼットも設けています。
(2)森の中の赤い屋根の平屋・B様邸(建物16.4坪)
赤い屋根が印象的な、16.4坪の平屋です。


キッチンの収納はシンプルに、見せる収納棚にしました。

一方、切妻屋根の小屋裏には、季節ごとの衣類を収納。
見せる収納と隠す収納をうまく使い分けています。
さらに一部にロフトを設けることで、活用できる面積をうまく広げた事例です。
(3)お身体が不自由でも安心して暮らせるC様邸(建物14.75坪)
お子様からのご依頼で、お身体が不自由なお母様が安心して暮らせるようにとたくさんの工夫とアイデアを活かした平屋です。

駐車場から玄関まで、雨の日でも濡れずに安全に入れるようにと、なだらかなスロープと手すり、屋根を設けました。
スロープからの出入りの妨げにならないよう、玄関は引き戸を採用しています。

玄関を開けると、ゆったりと広い玄関スペース。
段差をできるだけ小さくし、持ちやすい高さに手すりを設けました。
木の温もりを感じるやわらかな色調のフローリングと玄関タイルは、落ち着いた印象を与えます。

キッチンとリビングを仕切る引き戸は、段差のないレールを採用。
広く開放的な引違いの2枚戸は、人が集まる際も出入りがしやすく、1つのフロアとして空間をゆるやかに繋ぎながら、自由な行き来を可能にします。

トイレには持ちやすい高さに手すりを設け、ペーパーホルダーの下にお掃除や予備のトイレットペーパーをスッキリ収納できる棚を設置しました。

お風呂場にも、立ち上がる際に必要な手すりを複数設け、バスタブは底面に滑りにくい凹凸のあるものを採用。
左側のフックには、使用しないときに専用の風呂フタをコンパクトに収納できます。
(4)収納のアイデア
収納の確保が課題になりがちな平屋では、わずかな空間も無駄にしないことが重要です。
たとえば、小上がりを設けると、その段差部分を収納として活用できます。
小上がりは、壁を使わず、空間を緩やかに区切ることができるので、用途を分けるなどメリハリの効いた立体的で使いやすい間取りにすることができます。
同じフロアの中に複数の居場所を作ることで家族が集まりやすく、コミュニケーションが活発になる効果も期待できます。
ここでは、小上がりや床下収納などの、平屋で使いやすい収納アイデアについて画像付きでくわしくご紹介します。

こちらは居室の一角に設けられた畳敷きの小上がりです。
小上がりの畳を取り外すと、中に大きな収納スペースがあります。
ふだんあまり使わない季節のものを収納するのに便利です。
スキー板など、長さのあるものも収納可能です。

畳を外さずに使用できる引き出しも側面に取り付けられています。
日常使いするけれど、場所を取るものを収納するのに最適です。
畳面は腰かけとしても活用でき、ソファーを置かずにくつろげる空間にもなります。
布団を敷くスペースとして活用する場合、高さがあるので布団からの立ち上がりが楽で、寝ているときも床のホコリを吸いにくく快適です。
また、床下収納を設けるのも効果的です。

画像は、居室に設けられた床下収納の一例です。
床下収納というと、キッチンの床に設置されるイメージがありますが、さまざまな部屋に設置可能です。
床や基礎の構造上取り付けられない場所もありますが、キッチン以外の活用もぜひおすすめです。
ほかにも、ロフトや小屋裏収納を活用するのもひとつの方法です。
居室として使用できるロフトは、来客時の寝室や書斎として使うこともでき、限られた床面積を有効活用できます。
どちらも熱がこもりやすいので、換気や断熱の工夫が必要です。
小屋裏収納については、くわしい解説記事がありますのでご覧ください。
また、壁の厚みを切り欠くことでニッチ(※)を設けるなど、さまざまな収納の工夫が可能です。
平屋にしたいけれど収納が少ないことでお悩みの方は、ぜひご相談ください。
※ニッチとは、壁の厚みを利用して作ったくぼみを指します。飾り棚や収納として使用します。
(5)平屋で快適な暮らしを実現するポイント
延床面積が小さくなりがちな平屋で、快適な暮らしを叶えるポイントをまとめました。
① 仕切りや廊下を減らす
仕切りや廊下を最小限に抑えると、開放的な空間を確保できるのと同時に、生活動線がスムーズになります。
リビングを中心とした間取りにすると、部屋同士のつながりが生まれ、より広々と感じられるでしょう。
② 天井を高くする
平屋は縦の空間が限られるため、天井を高くすることで圧迫感を軽減できます。
切妻屋根や片流れ屋根などを採用して勾配天井にしたり、吹き抜けを取り入れたりすると、より開放感が増し、空間にゆとりが生まれるのでおすすめです。
③ 大きな窓を設置する
採光を確保するために、大きな窓を設置すると効果的です。
ウッドデッキとつなげると、外との一体感が生まれてより広く感じられるでしょう。
大きな窓があると風通しがよくなり、快適な住環境をつくれるのもメリットです。
④ 収納を工夫する
前項で詳述した通り、収納スペースを確保するために、さまざまな収納アイデアが活用できます。
小上がりをはじめとした小上がりや床下収納、ロフトや小屋裏収納、ニッチ収納など、スペースが限られる平屋では、空間を上手に活用することがポイントです。
⑤ 断熱性能を高める
平屋は屋根や床の面積が広く、外気の影響を受けやすいため、断熱対策が重要です。
高性能な断熱材や複層ガラスの窓を採用することで、冬は暖かく、夏は涼しい快適な住まいになります。
冷暖房の効率も上がり、省エネにもつながるでしょう。
3.終の棲家としての平屋|足立区で安心・快適な老後を

老後を快適に過ごす平屋を建てるには、安全性や住みやすさを重視した家づくりが欠かせません。
ここでは、高齢になっても安心・安全に暮らすための工夫や、足立区で利用できる助成金について紹介します。
(1)安心・安全な暮らしのための工夫
まずは、安心・安全な家にするためにできる工夫からチェックしましょう。
① 段差解消、スロープ・手すりの設置、生活動線の確保
高齢になると転倒リスクが高まるため、安心・安全を重視するなら段差をなくしてバリアフリー設計にすることが大切です。
玄関や浴室、トイレなどには手すりを設置し、移動のしやすさを確保しましょう。
また、広めの廊下や引き戸を採用すると、車椅子や歩行器が使いやすくなり、将来的な介護にも対応しやすくなります。
② 平屋ならではの安心感、家族とのつながり
平屋はワンフロアで生活が完結するため、階段の上り下りの負担がなく、安全性が高い点が魅力です。
また、家族との距離が近く、気配を感じながら暮らせるため、安心感もあります。
とくに、リビングを中心としたオープンな間取りはコミュニケーションをとりやすく、見守りもしやすい環境をつくれるのでおすすめです。
(2)助成金の活用【足立区】
足立区の不燃化特区内で平屋へ建て替える場合、以下のような助成金を活用できる可能性があるのでチェックしましょう。
助成金 | 内容 | 補助額上限 |
老朽建築物の解体費用の助成 | 不燃化特区内に昭和56年5月31日以前に建築された(旧耐震)木造または軽量鉄骨造の建築物の解体に対する助成 | 最大280万円 |
不燃化建替え費用の助成+建築費助成 | 不燃化特区内の住宅を燃えにくい建物へ建て替える場合に、解体費と設計・監理費・建築費の一部を助成 | 解体費 最大280万円 +設計・監理費 最大70万円 +建築費 面積に応じて |
こうした制度を活用できると、負担を軽減しながら安全で快適な住環境を整えることが可能です。
詳しくは公式ページにてご確認ください。
4.足立区で平屋を建てるなら!工務店の選び方

足立区内で平屋を建てる際は、信頼できる工務店を選ぶことが大切です。
ここでは、後悔しない工務店選びのコツを紹介します。
(1)丁寧に要望を聞き取ってくれる会社を選ぶ
平屋を建てるときには、ライフスタイルに合わせた設計が重要です。
とくに狭小地が多い足立区内では、間取り収納の工夫が欠かせません。
さらにバリアフリー対応など、細かな要望をしっかりヒアリングし、希望に沿った提案をしてくれる工務店を選びましょう。
過去の施工事例を確認し、相談の際の対応を見極めることをおすすめします。
(2)予算を尊重してくれる工務店を選ぶ
理想の家を建てるには、予算のバランスも大切です。
コストを抑えつつ、必要な部分にはしっかり費用をかけることが求められます。
見積もりの透明性があり、予算内で最適なプランを提案してくれる工務店を選びましょう。
さらに足立区の助成制度に詳しく、アドバイスしてくれるなら安心して任せられます。
(3)何かあったときにすぐに駆け付けてくれる工務店へ
住み始めた後のメンテナンスや急なトラブルに対応してくれるかどうかも、工務店選びの大切なポイントです。
地域密着型の工務店であれば、迅速に対応してくれる可能性が高く、長く安心して暮らせます。
とくに地元で長く営業している工務店は、地域の人々の信頼が厚いと考えられます。
アフターサービスの内容も確認し、建築後もホームドクターとして長くお付き合いできる工務店を選びましょう。
5.まとめ

足立区で平屋を建てる際は、限られた敷地でも快適に暮らせる工夫が重要です。
収納や採光、間取りを工夫すれば、20坪~30坪のコンパクトな土地でも暮らしやすい住まいを実現できます。
さらにバリアフリー設計や断熱性能を向上にこだわれば、老後も安心して暮らせる終の棲家となるでしょう。
工務店選びでは、要望を丁寧に聞き、予算に配慮し、アフターフォローが充実している会社を選ぶことが大切です。
1967年創業の浅野工務店は、人と人とのつながりを大切にし、安心できる住まいづくりをサポートしています。
まずはお気軽にお問い合わせください。
- 【最終更新日】2025年03月12日 11:19:53
- 【投稿日】2025年03月12日 11:19:53